メロンソーダがしゅわしゅわっとして。

きょうは本当は一人でぶらぶら街を散歩するつもりだったんだ。

なんのあてもなく。

 

一人はもともと好きだった。

なりふり構わず好きなお店に入って、古本屋に入ってパラパラ立ち読みをしながら自由気ままに時を過ごすの。

 

だけど、一人でぶらぶらし始めてから、ああ一人で来てよかったって思う時と、二人の方がいいな、今から誰か来てくれないかなって思う時がある。

 

きょうはすごく後者の方で、そしてボーイフレンドにすごく会いたくなった。

 

だから連絡をしてしまった。彼は思いがけず来てくれるっていうから、

犬みたいな人だなあ、かわいいなあって思いながらドキドキして待ってた。

 

だけどいざ待ち合わせをして顔を合わせると、あれ、話すことがない。

なぜか彼に会うと、会っていることだけに満足してしまって、

話すべき話がいつもできない。将来のこととか、今の悩みとか、自分の情けなさとか、

裸になって話せない。

 

そんな調子のまま夕飯までの時間を埋めるように過ごしていたから、

なんだかすごく疲れてしまう。時間を過ごすのではなくて、

時間を埋めていくような感覚。

 

帰りはなんだかそのまま家に帰るのが嫌で、つい寄り道をした。

一人になると、どっと疲れが出て、ああ、私こんなに疲れていたんだと驚いてしまう。

メロンソーダを駅の近くのハンバーガーショップで飲みながらぼんやりしていたら、

向かい側の少し離れているところに座っていた女の人と、

視線が空中でぶつかった。

 

しゅわっと口の中でメロンソーダが弾けたその時に、なんだかすごくほっとしてしまって、2人に足りないものを一人で埋めているような感覚に、すごく虚しくなってしまった。